2030年代に起きる相続税で"世帯崩壊"の深刻度 23区の「5人に1人」が相続税を課されている

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
高齢者単独世帯でこれから大量に発生する相続。そしてその多くで相続税負担を余儀なくされます(写真:66BIRTH/PIXTA)
今や、7軒に1軒が空き家といわれています。しかも今後、首都圏に大量相続時代が到来し、さらなる空き家の増加が予想されています。不動産業界の第一人者・牧野知弘氏に、空き家問題の「現状」と日本の「近未来」を聞きました。
(本稿は『新・空き家問題ーー2030年に向けての大変化』から一部抜粋・編集しお届けします。)

世帯崩壊が始まる二次相続多発と空き家

空き家になるきっかけが相続であることは前回記事で触れました(「不動産価値が下がらない街」には大きな特徴がある)。

では首都圏ではどのくらいの相続が発生しているのでしょうか。

2000年の相続件数、つまり死亡数は首都圏全体で21万2000件でした。20年後の2020年には39万2000件。何と84.9%も増えています。

(画像:『新・空き家問題――2030年に向けての大変化』より)

いっぽう首都圏における個人住宅空き家数はどうなっているでしょうか。総務省「令和5年住宅・土地統計調査」のデータによれば、首都圏の個人住宅空き家数は39万2000戸でした。20年後の2023年では66万900戸と、68.6%の増加となっています。内訳は東京都が21万4600戸(52.4%増)、神奈川県15万600戸(73.9%増)、千葉県15万8100戸(77.4%増)、埼玉県13万7600戸(82.5%増)とどの都県も順調にその数を伸ばしています。

高齢の単身者が亡くなると、その人が住んでいた家は賃貸住宅であれば、他のテナントに貸すことになりますが、持ち家の場合には相続人に引き継がれます。相続人は引き継いだ家に自らが居住する以外は、賃貸に供する、または売却する、という選択を行なうことになります。そしてどの選択も採用しないでいると家は空き家化します。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事