ゴルフ人気コーチ、プロ試験合格で狙う変革 "自分たちのことしか考えない"に危機感
――プロテストを受けたのは、自分のゴルフ理論が正しいことを証明したかったからですか。
それだけではありません。自分がツアーに出たいという思い、ゴルフ界はこのままじゃまずいという強い危機感もありました。ゴルフ界は一蓮托生ですから、どこかがおかしくなると、みな影響を受けるんです。ゴルフ場、ツアー、メーカー、練習場、協会・・・みなつながっているはずなのに、自分たちのことだけを考えて、連携を取ろうとしていない。
ゴルフ界には曖昧なところがありますが、指導者の世界にもそれが言えます。PGAが認定しているティーチングプロは約5400人。JGTOのツアープレーヤーの資格を持って教えている人もいます。そのほか、法人格のない団体が免状を出していますし、資格を持たずに教えている人もたくさんいる。全部含めて約1万人いるといわれています。私は1999年にJGTOが実施するQTのファーストを通っているので、ツアープレーヤーを名乗っていましたが、これまでPGAの資格は持っていませんでした。
――PGAのティーチングプロでなくても、メディアで活躍している人気コーチはたくさんいます。
この資格を持たずに教えている有名コーチは多いです。資格がないと教えてはいけない、というわけでもありませんから。ここは難しいところで、資格という後ろ盾がないために中身で勝負しようと工夫している人がいる一方で、資格を持っていても、その先の努力をしない人もいる。
スクールによって指導がバラバラ
――たしかに、PGAの倉本昌弘会長は食べていけるティーチングプロが少ないと話していました(関連記事:奔走する倉本昌弘PGA会長が胸の内を語った)。
世界的に活躍する日本人プロが少なくツアーが盛り上がらないのは、指導者にも責任があると思っています。ナショナルチームのシステムが確立している韓国では、コーチたちが集まって指導方針の意思決定をしています。
――韓国人プロゴルファーのスイングって、みなきれいですよね。
右足の粘りや体全体を使うところなど、根幹で似ている部分があり、どこにいても同じ指導が受けられるともいえます。日本では、たとえば新宿と渋谷のスクールで言っていることが違うというように、差別化に意識が向いている。基本よりオリジナリティを重視している。
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