職場乱す「承認欲求こじらせ社員」の取り扱い方 「自己アピール過剰」や「かまってちゃん」など

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ざっくりタイプ分けしてみたが、どれか1つに明確に分けられるというよりは、これらのいくつかの側面を併せ持っている人が多かった。

これは、私がとある中堅企業の人事部に在籍していたときのこと。②の「被害妄想」と③の「かまってちゃん」タイプを併せ持った「承認欲求こじらせ社員」の問題に遭遇した。

その社員とは、宣伝部に所属するAさん(36歳・女性)。Aさんの上司であるB部長(47歳・男性)から、「最近、彼女の様子がおかしい」との相談があり、私自身もこの問題に関わることになった。

聞くところによると、Aさんは数カ月ほど前から会議で他のメンバーに突っかかるように反対意見を重ねて、無駄に時間を長引かせていた。また自分の担当業務そっちのけで、頼んでもいない企画の提案を続けざまにしてくることもあり、不自然な行動が目立つようになったという。

やることなすこと空回りでうまくいかないせいか、毎晩のように仲のいい社員と深酒をし、「B部長は私を評価してくれない。私よりも〇〇さんをえこひいきしている」と、愚痴を漏らしているという。時折、酒の匂いを漂わせながら遅刻してくることもあるそうだ。

「Aさんがそうなったきっかけについて、何か心当たりはありますか?」

私が問うと、「実は……」と、部長は口ごもりながら吐露した。

数カ月前――。部長は、転職して半年が経ったAさんに「そろそろ大きめの仕事を任せよう」と、あるプロモーションの企画を依頼。だが、遅々として進まず、ようやく見せてもらった企画書の中身は穴だらけ。落胆した部長は思わずため息交じりに、「もっと早く相談してほしかった」と漏らし、結局、部長が主導する形で進めることになったという。

「それ以来、Aさんの様子がおかしくなったので、僕のあの一言に傷ついてしまったのかもしれません」(B部長)

Aさんは私も顔見知りで、明るく朗らかな印象だったので、「心にそんな闇を抱えていたのか」と少々驚いた。

「ちゃんと見ているよ」と逆アピール

続けて部長はこう語った。

「僕の言い方もいけなかったと思いますが、正直、彼女の行動も面倒くさいというか(苦笑)。でも、本来は明るくて素直な性格だし、ポテンシャルはあると思うんですよ」

そう言い切る彼の言葉から、改善の余地はあると感じた私はこんなアドバイスを試みた。

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