栗山英樹氏が禅僧に伝えた「勝負運」をつかむ習慣 神様や天が味方する「生き方」を身に付けるには
栗山:ええ。野村克也さんは運を2つに分けて選手に説明していました。運には偶然性の運と必然性の運があると言われるわけですね。つまり、自分が持ち込める運と人為では動かしようのない運がある、と。それは重々承知のうえで、ちょっと偉そうな言い方になってしまいますが、僕としては偶然性の運さえもコントロールしたいと思っていました。そうすれば勝ちにより近づくからです。
そんなコントロールできない運をコントロールするためにはどうしたらいいのかと考えると、やっぱり人のために尽くし人に喜んでもらうことをすることなのではないかという結論にたどり着くんです。
小さなことが積み重なって運につながる
横田:それはその人の日常の生活態度ということですね。
栗山:はい。たとえば、選手が朝、「おはようございます」ってあいさつしてくれたときに、こっちが考え事をしていてあいさつがおそろかになったりしていなかったかとか、ちゃんと向き合って明るく笑顔で人に接しているかとか、すごく小さな積み重ねだと思うんですけれど、そういう姿勢が足し算のように積み重なって運に影響しているように思うんです。
横田:人であれチームであれ、一挙手一投足の積み重ねが勝利の女神が微笑む要因になるということなのでしょうか。
栗山:僕がファイターズの監督時代、1度目に優勝した2016年は15連勝したんです。これは僕の感覚ですけれど、自然と結果が出ているときは、相手がミスして自滅することが比較的多いんです。要するに、自分たちは当たり前のことを当たり前に淡々とやっている感じなんですよ。
ここで絶対に打ちそうにない選手がホームランを打つとか、いわゆる劇的なことが起こって勝つのではない。ですから、スーパーヒーローを求めるのではなくて、少なくともまず練習の段階から自分にできることだけは確実にやり切る。それが大事です。
そういうところを神様は見ているのかなと思います。その積み重ねがあって、何かのタイミングで神様から認めてもらえる。「お前ら、よく頑張った」と応援してもらえるのかなって。ですから、最終的には生きざまなのでしょうね。
横田:私は子どもの頃、剣道をやっていまして、よく言われたのは、「道場に来てからが稽古じゃない。朝起きてからが稽古だ」と。日常の生活態度が大事だということは昔から言われていることなんですね。結果に違いが生まれるのは、それを聞き流すか、栗山監督のように実直にきちっとやり抜くかの違いでしょう。
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