生命保険の加入者は、平均すると世帯あたり年間約42万円の保険料を払っています。平均給与が年間約410万円ですから生命保険料はその約1割を占めているわけです。さらに自動車や火災などの損害保険を加えると、保険に使っている金額はさらに膨らみます。
ところが、実際の保険料支払いはその程度で収まりません。それ以上の保険料を払っています。それが国の社会保険です。誰もが入らなければならない強制加入の保険です。年金保険、健康保険、介護保険などです。会社員ならば年末に渡される源泉徴収票に、その年に支払った社会保険料の金額が記載されています。
改めて眺めてみると、その金額の大きさに驚くと思います。一般的な会社員で、給与の10%以上が給与天引きされていますから、民間の保険料と合わせると合計で給与の2割以上が保険料ということになります。
社会保険は公的な保険、いわば国営保険会社の保険です。近代先進国家の多くは国民が自立して、安定した生活を営むことができるように、国民相互の助け合いシステムとして社会保険を整備しています。そして民間の保険は、あくまで、社会保険を補填するものとして位置付けられています。社会保険では対応し切れず、どうしても不足してしまう保障かどうかをしっかりと見極めたうえで利用するのが、民間の保険です。
社会保障は「3つの仕組み」の組み合わせ
社会保障制度の教科書を読むと、必ず「自助」「共助」「公助」という言葉が出てきます。この3つの仕組みを適切に組み合わせることで、国民の安心感を確保し、社会経済の安定を果たしていくことが社会保障の基本的な考え方です。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
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