中国の太陽光パネル大手の隆基緑能科技(ロンジ)は1月16日、2024年の通期純損益が82億~88億元(約1741億~1868億円)の赤字になるとの業績見通しを発表した。
同社が通期赤字に転落するのは12年ぶりだ。その要因について隆基緑能科技は、太陽光発電設備の需要は2024年も世界各地で拡大したものの、市場の需給バランスが(中国メーカーの過剰生産と値下げ競争により)大きく崩れたことが響いたと説明した。
過当競争の解消に時間
2000年に創業した隆基緑能科技は、2012年に上海証券取引所に株式を上場。太陽光パネルのメーカー別の出荷量ランキングで、2020年から2022年まで3年連続で世界首位になった。
翌年には晶科能源(ジンコソーラー)に抜かれて第2位に後退したものの、2023年の通期決算では107億5100万元(約2283億円)の純利益を計上していた。
しかし2024年に入り、太陽光パネル業界全体が(赤字販売が当たり前の)過当競争に突入。隆基緑能科技によれば、需給バランスの不均衡(による製品価格の下落と業績悪化)の解消にはまだ時間がかかるという。
「目下の苦況の原因は、太陽光パネル業界のプレーヤーが多すぎ、極端な過当競争を招いたことにある」
隆基緑能科技が2024年12月末に開示した投資家向け説明会の資料によれば、同社董事長(会長に相当)の鐘宝申氏は説明会でそう嘆いた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら