推測統計の「仮説検定」をビジネスで生かす方法 データの差異は誤差なのか、意味のある違いなのかを検証
![【数学的】意思決定トレーニング](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/d/8/570/img_d8426cf92fbb2f1398716ba96579b4cc743012.jpg)
仮説検定とは、母集団の分布や性質などについて、ある仮説が正しいかどうかを、統計的にYes or No方式で判断する手法です(写真:bee/PIXTA)
ビジネスにおいてデータを重視するのは当然のことですが、データをきちんと読み取ることはできているでしょうか? 例えば、ある調査を行ったところ、「AのほうがBよりも多い」という結果が出たとします。そこで、「Aのほうが多い」と、すぐに判断していいのでしょうか? 「何となく」ではなく、数学的に判断する方法を、大人の数学塾の塾長を務める永野裕之氏が解説します。
※本記事は『いつも決断に自信がもてない人のための 【数学的】意思決定トレーニング 情報の整理から微分・積分的発想まで』の内容を一部抜粋したものです。
仮説検定とは
【問題】
ある飲料メーカーが、缶コーヒーの品質改善に取り組んでいます。無作為に選んだ30人のユーザーに新製品の試作品を飲んでもらい、以前より美味しく感じるかどうかを回答してもらったところ、21人が「以前より美味しくなった」と答えました。
このアンケート結果から、「新製品のほうが(旧製品よりも)おいしい」と判断して良いでしょうか?
本記事では、推測統計の手法の中から仮説検定と呼ばれるものを紹介したいと思います。
推測統計は、サンプル(標本)を調べて母集団の特性を確率的に予測する推定と、標本から得られたデータの差異が誤差なのか、あるいは意味のある違いなのかを検証する検定とを2本柱にしています。
TVの視聴率や選挙の開票速報などは「推定」であり、「1日2杯のコーヒーはがんの発生を抑える」などの仮説の信憑性を裏付けるのが「検定」です。
仮説検定とは、母集団の分布や性質などについて、ある仮説が正しいかどうかを、統計的にYes or No方式で判断する手法です。
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