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推測統計の「仮説検定」をビジネスで生かす方法 データの差異は誤差なのか、意味のある違いなのかを検証

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これは有意水準(5%)より低いので、帰無仮説は棄却され、対立仮説の「新製品のほうがおいしい」が採択されます。つまり、「新製品のほうがおいしい」と判断して良いというわけです。

注)反復試行という考え方を使って、30枚のコインを投げて21枚以上が表になる先験的確率(数学的確率)を求めると2.13…%となります。

21枚「以上」を考える理由

30人中21人が「新製品のほうがおいしい」と回答した結果を統計的に分析する際、なぜ30枚のコインを投げて21枚「以上」が表になる確率を考えるのでしょうか?

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一言で言うと「偶然による結果を誤って有意と判断してしまうリスクを最小限に抑えるため」です。

たとえば、平均点が70点のテストで、ぴったり80点をとった生徒がたまたま100人中1人だけだったとしましょう。このとき「80点の生徒は全体の1%しかいないから、この生徒は極めて優秀だ」と考えるのはおかしいですよね? もしかしたら、85点や90点の生徒はたくさんいるかもしれません。

しかし、もし80点「以上」の生徒が全体の5%しかいないのであれば、80点の生徒は十分優秀と認めてよいでしょう。

同じように、ちょうど21人のケースだけを考えて、確率が有意水準より低くなったからといって(棄却域に入るような非常に珍しい事が起きたと考えて)、帰無仮説を棄却するのは危険です。22人や23人や……のケースも考慮に入れる必要があります。

21人以上が「おいしい」と答える確率を計算することで、結果が特定の方向(おいしいという意見が優勢な方向)に偏る希少性を正当に評価できます。この確率が十分に低ければ、21人という結果は偶然では起こりにくく、新製品が実際に好まれている可能性が高いと判断できるのです。

以上が、帰無仮説のもとで30人中21人以上が「おいしい」と回答する確率=30枚のコインを投げて21枚以上が表になる確率を考える理由です。

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