ファミマ、いつの間にか「ファン急拡大」の背景 アパレルが話題も、食品にも消費者目線が通底
一方、完全にアパレルのようになっているかというと、そうではない。
この点、繊維業界記者の南充浩氏は、ファミマのアパレルがウケた理由について、コンビニが持つ店舗数の多さと入店のしやすさが影響したのではないかと分析する。服を買うときに、近所に店舗があれば楽だし、コンビニであればアパレルより入りやすい。もっといえば、ユニクロやGUよりも気軽に入ることができる(ファミマの「コンビニエンスウェア」ヒットの理由を考察/「FASHIONSNAP」/2024年3月9日)。
これが、強みの一つになっているというのだ。つまり、ファミマのアパレルは「既存のアパレルとこれまでのコンビニアパレルのいいとこ取り」をして人気を博しているといえる。
ファミマの衣料品売り場は「ユニクロ」的?
一方で、筆者が注目しているのは「売り場としての面白さ」だ。
私が最初、ファミマの衣料品売り場を見たときに感じたのは「なんだか、ユニクロみたいだな」ということ。カラーバリエーションが豊かだし、商品POPもモデルの写真が並んでいて、かなりスタイリッシュ。
もちろん、ユニクロを「パクっている」などと言いたいのではない。というより、POPや陳列まで含めた「見せ方」に、ファミマの本気度の高さを感じているのだ。
アパレル店を歩く楽しさは、服が美しく並べられていたり、いろいろなPOPがあったり……といった「場所としての楽しさ」が大きいと思う。ファミマの衣料品は、アパレル店に比べれば売り場面積こそ小さいが、そんな「アパレル店の場所としての楽しさ」を演出することに成功していると思う。
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