ファミマ、いつの間にか「ファン急拡大」の背景 アパレルが話題も、食品にも消費者目線が通底

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そんなことを考えていると、面白い事実に気が付いた。ファミマで代表取締役副会長、社長などを歴任した澤田貴司氏(現在は退職済み)は、もともとユニクロを運営するファーストリテイリングの取締役副社長だったのだ。

【2025年1月22日9時55分追記】初出時、澤田氏の肩書に誤りがありましたので、記述の一部を修正しました。

澤田氏は、ユニクロ創業者の柳井正氏の右腕として、ユニクロの成長に大きく貢献した一人。ユニクロが全国区になるきっかけを作った「フリース」ブームの立役者でもある。ユニクロでは副社長就任前、経営企画室長や商品本部長も歴任している。

これは一つの推測でしかないが、このようなユニクロの経営に大きく関わった澤田氏の経験が、ファミマにおける衣料品販売に大きく活かされているのではないだろうか。

ちなみに、スウェットトレーナーの値段(税込み2980円)は、ユニクロのトレーナーと同じ値段で、「同社をベンチマークに置いているのでは?」という話もある。

真相は不明なものの、イチ消費者としては「試しに買ってみるか」と思える、絶妙な値付けだと感じる(3980円だと「ちょっと高いな」と筆者は感じるはずだ)。

ファミマに通底する「売り場としての魅力」

澤田氏はインタビューの中で「あのとき(注:ユニクロ在籍時)も、売れている店と売れていない店の違いは、明るいカラーがちゃんと揃っているかどうか、ということが大きかった。カラーのバリエーションが揃っていない店は、売れないんですよ」と述べる(上阪徹『職業、挑戦者: 澤田貴司が初めて語る「ファミマ改革」』、東洋経済新報社)。

商品を単品で捉えるのでなく、それを並べたとき、「売り場全体としてどう見えるか」にこだわることをユニクロ時代に学んだという。

ユニクロ
ユニクロ店内(筆者撮影)

このような「面」としての陳列方法により、ファミマは、特に他社との差別化をしにくいコンビニの中で「独自の売り場イメージ」を付けることに成功しているのではないだろうか。

「モノ」もさることながら、売り場としての魅力に、その躍進の理由の一つがあると思う。

ちなみに、澤田氏はインタビューの中で、惣菜のプライベートブランド「ファミマル」(かつての「お母さん食堂」)についても、売り場全体としての見え方を意識して、パッケージを決めたと述べている。

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