スポーツカー将来不安説に納得できない背景3つ トヨタGR/スバルSTI…オートサロンで見た根拠

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そのほか、東京オートサロン2025の会場から。派手な音響システムを搭載する日産「180SX」(筆者撮影)
そのほか、東京オートサロン2025の会場から。派手な音響システムを搭載する日産「180SX」(筆者撮影)

また、ユーザーが自ら運転するカーシェア、誰かに運転してもらうライドシェアなど、移動方法の選択肢の需要は、着実に増えてきている。だが、そうした「単なる移動」と「クルマを所有して生活を楽しむこと」は別物であり、相反する関係にあるという認識が世の中に広まっているように感じる。

そのため、クルマを通じたユーザーの自己表現として、ハイパワー化やファッション化を新車・旧車を問わず、求める声は継続されるように感じる。

2つ目は、「パワートレインのマルチパスウェイ」だ。

EVシフトやハイブリッド車への回帰など、クルマの次世代パワートレインについては、グローバルでのエネルギー安全保障問題を含めた政治と経済の関係性を背景に、先読みが極めて難しい状況にある。

その中で、日本はさまざまなパワートレインを国や地域、そして時流に合わせてフレキシブルに対応する「マルチパスウェイ」を提唱しているところだ。

ハイパフォーマンス系・アフターマーケット系のいずれにおいても、各社がマルチパスウェイを基本とした事業戦略を打ち出し始めており、各社の各事業領域において商品の「のびしろ」が期待される。

1980年代を彷彿させる、「AE86 レビン/トレノ」のチューニングモデル。フィギュア的発想で手にする人も少なくない(筆者撮影)
1980年代を彷彿させる、「AE86 レビン/トレノ」のチューニングモデル。フィギュア的発想で手にする人も少なくない(筆者撮影)

SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の可能性

そして3つ目は、「付加価値の多様化」である。

たとえば旧車の世界では、若いころに手が出せなかったモデルをフルスペックでチューニングしたうえで、自宅に“フィギュア”のように飾っておく“大人買い”がある。

また、最新技術の観点では、各社がこぞって開発を進めているソフトウェアを主体したクルマ、SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の活用が考えられる。

「ホンダ S+シフト」に見られるような、パワートレイン制御や効果音による「ドライバーとクルマとの融合」も、その一例だ。

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自動車メーカーのハイパフォーマンス系・アフターマーケット系の進化は、EVシフトが進んでも歩みを止めることはないだろう。今後もさまざまな現場で、検証していきたい。
 

桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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