ローソン「最近めちゃ行く人」が増えた納得の理由 消費者に寄り添った、実用的なコンビニに進化
この点で対照的なのがセブン-イレブンの「うれしい値!」。
以前、筆者はこのネーミングについて「お得かどうかを決めるのは消費者であって、どこか企業側の押し付けがましさを感じる」と書いた。
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一方で、「盛りすぎチャレンジ」には、そうした感覚はあまりない。
いま、わざわざこんな瑣末な話をしたのは、ローソンはかつて「消費者目線」の問題で痛い目を見たからだ。2020年、ローソンはプライベートブランドのパッケージを一気に変えたが、その際、デザインが「見づらい」「商品の種類がわかりにくい」として炎上したのである。
確かに、パッケージはオシャレでスッキリしているがゆえに、商品の違いがわかりづらかった。ローソンはすぐに同デザインを撤回し、より商品が見やすいパッケージへの変更を行う。
ここでの経験から「オシャレさ」よりも「実用性」に商品の方向性を振り切ったのかもしれないが、いずれにせよ「消費者目線」での政策ではなかったわけだ。
ここでローソンを批判したいのではない。むしろ、このようなさまざまなチャレンジを行い、ときにそれを修正しながら改革を続けているからこそ、今回のような業績の好調さが生まれたのではないか、と思うのだ。
チャレンジを続けてきたローソンはどうなるか
同社の現代表取締役の竹増貞信氏は副社長時のインタビューで、以下のように述べている。
もちろん、会社側が語っていることだし、社内でも視座の高い人の話なので、良いふうに言っている面もあるだろう。
だが事実として、セブンが苦戦する中でローソンは業績を向上させているし、「ハピろー!」をはじめとするさまざまな取り組みや、他業種とのコラボレーションは、良い影響を生んでいるのは間違いない。
こうした「チャレンジ」が「消費者目線」を作り、同社の業績を底上げしているのだろう。
ちなみに、個人的にローソンで面白いな、と思ったのは、最新の決算説明会資料で付けられた「ローソン・タウン」構想だ。
ローソン店舗を核として、農場や発電所、住居までをも包括したいわゆる「コンパクトシティ」のような計画である。
ローソンはショッピングモールかもしれない、と書いたが、それにとどまらず「街」を目指しているのだ。
あまりにも巨大な夢かもしれない。しかし、日本の成長が停滞し、未来に大きなビジョンを描きづらくなっている現在、こうした「ビジョン」が大きく掲げられているのは、とても面白いし、良いことだと思うのだ。
そして、そのビジョンに向かってチャレンジを続けているのが、今のローソンの姿なのである。
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