例えば、夜眠れないときに「早く寝なきゃ!」と焦るほど目が冴える経験はないでしょうか? これは、「眠れない」という状態に意識を向けることで、ますますその状態に囚われてしまうからです。同じように、「走らない!」と注意すると、子どもは「走る」という行動に意識を向けてしまいます。一時的には止まるものの、意識が「走る」に縛られているため、また走り出してしまうのです。
子どもの行動が180度変わる声かけ
子どもの行動を変えるには、注意する言葉を「禁止」から「提案」に切り替えることがポイントです。子どもの意識を「ダメ」と言われる行動から、新しい行動へと切り替えるのです。
例えば、スーパーで走り回る子どもに「走らない!」と叱るのではなく、「一緒にカートを押してくれる? 人にぶつからないようにカートを押すゲームね」と声をかけてみてください。これだけで、子どもの意識は「走る」から「カートを押すゲーム」という新しい行動に移ります。結果的に、走る行動が自然と収まります。
また、公園で走り回る子どもには、「どっちが先にあの木まで歩いていけるか競争(競歩)しよう!」と提案するのも良い方法です。そもそも公園は走ってもよいはずですが、人が多くぶつかると危ない場合もあります。そのようなときは人が少なく危険ではないエリアで上記のような提案をすることで、子どもは楽しく行動を切り替えることができます。
さらに、「歩こう」という指示にプラスして、具体的な状況や理由を添えると効果的です。「このスーパーはたくさんの人がいるから、ぶつからないようにゆっくり歩こうね」と言えば、子どもも納得しやすくなります。
次に、人前で緊張しやすい子どもへの声かけについて考えてみましょう。子どもが発表の前に緊張している様子を見て、「リラックスしてね」と声をかけたくなる親御さんも多いはずです。しかし、この言葉が逆に子どもの緊張を強めてしまうことがあります。
「リラックス」という言葉が、かえって「自分は今緊張している」と意識させてしまうのです。その結果、子どもはさらに固まってしまうことがあります。
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