子どものことばを育てるのに本当に必要なこと 「ことばのシャワーを浴びせる」のが正解ではない
ことばの発達に遅れがある子どもの指導を専門とする立命館大学教授の川﨑聡大教授は、1歳ごろに話し始めるより前に「ことばをどれだけ理解できているか」「コミュニケーションの基盤がどの程度育っているか」が大事だと指摘します。川﨑教授の新刊『発達障害の子どもに伝わることば』から抜粋して、乳幼児期から幼児期初期の声かけについてご紹介します。
子どもの「もの」へのアプローチを観察しよう
声かけというと、子どもが「話せる」ようになってからの話に思えますが、1歳ごろの始語より前から、「どれだけ理解ができているか」と「コミュニケーションの基盤がどの程度育っているか」が大事です。
でも、どうやって理解を確認すればいいのか。子どもに質問もできないし、コミュニケーションの基盤もイメージしにくいかもしれません。
「どれくらいわかっているか」から順に説明していきますね。発話がない子どもの理解も子どもの活動を観察することで確認することができます。またそこに、ことばを育てるヒントが隠れているわけです。
まず、「もの」に対してどのようにアプローチしているかです。例えば靴を見て足を出そうとする様子がうかがえれば、「履くもの」という理解ができていると判断することができます。
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