三菱重工、第2の柱で狙う「利益倍増」の野望 利益800億円"寄せ集め"部門のポテンシャル

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ターボチャージャーはガソリン車のエンジン小型化に伴って世界的に需要が伸び、当社の生産台数も2016年には1000万台の大台突破を目指す。コンプレッサーはエチレン、肥料などの化学プラント用を得意としており、今後は米国市場を中心に改造・サービス分野も伸ばす。エンジンは分散型電源用の需要を着実に取り込んでいく。

機械・設備部門について「新中計の期間中には全事業を黒字化させる」と語るドメインCEOの木村和明取締役。

――伸長事業には含まれてない中小規模の事業が数多くありますが、そうした事業の改革にはメドがついたのですか。

規模が小さくとも、しっかり稼げている事業はある。問題となるのは、黒字でも先細りになりそうな事業、低・不採算の事業だ。この1年半でだいぶ手を打ってきたが、宿題として残っている事業案件はまだある。そうしたものについても、同業他社との再編・協業や、体制見直しなど必要な対策を講じ、新中計の期間中には全事業を黒字化させる。

上から指示でなく、当事者に考えさせる

大事なのは、事業の当事者たちが主体性を持って再生プランを考えること。収益の厳しい事業に上から「ああしろ」「こうしろ」と指図するのは簡単だが、それでは事業の持続的な発展にはつながらない。撤退や縮小となれば、一番つらい思いをするのはその事業で働く従業員たち。自分たちの事業は自分たちで守る、そういう気概を持って、やるべきことを考えてくれとボールを投げている。

今後はドメイン内のシナジーも本格的に創出していく。たとえば、自動車メーカーと取引のある事業を例に挙げると、試験装置、カーエアコン、ターボチャージャー、工作機械など7つもある。従来はバラバラに営業していが、それでは非効率だし、幅広い製品を手掛ける三菱の総合力が十分に発揮できない。技術や生産の面でも、ドメイン内の連携で効率化できる余地はある。知恵を絞って、そうしたシナジーを早期に顕在化させたい。 

渡辺 清治 東洋経済 記者
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