三菱重工、第2の柱で狙う「利益倍増」の野望 利益800億円"寄せ集め"部門のポテンシャル

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写真はエチレンプラント用のコンプレッサ。機械・設備システム部門で収益の貢献度が高い。
重工メーカー最大手、三菱重工業の業績が好調だ。2014年度の営業利益は過去最高となり、2015年度は3000億円の大台突破が見込まれている。最大の牽引役は屋台骨を支える発電所用ガスタービンなどの「エネルギー・環境」部門だが、それに次ぐ奮闘を見せているのが「機械・設備システム」部門だ。
機械・設備は数多くの中小規模の事業を束ねた“寄せ集め“部門。しかし、昨年度には連結営業利益の3割近くに相当する841億円を稼ぎ出し、今年度からスタートした新中期計画でも全社業績を引っ張るエンジンとして期待されている。同部門を率いるドメインCEOの木村和明取締役に、事業戦略や今後の課題などを聞いた。

 

――三菱重工の中でも機械・設備システム部門は、製鉄機械やコンプレッサー、フォークリフト、工作機械、自動車用ターボチャージャー(過給器)など15事業を束ねる大所帯です。

2013年秋に従来の9事業本部体制を見直し、4つの事業ドメイン(部門)に集約・再編した。その一つとして、旧4事業本部が統合して発足したのが「機械・設備システム」ドメインだ。どんな事業をやっているかと言うと、いろいろありすぎて、一言で説明するのは難しい(笑)。

横串機能で事業間の連携も

当社が手掛けている製品カテゴリーは500以上ある。それらの製品を発電設備など「エネルギー・環境」、航空機や造船など「交通・輸送」、さらに「防衛・宇宙」とくくっていって、いずれにも該当しない事業をわれわれのドメインが一手に束ねている。

一つひとつの事業の中身を見ていくと、事業構造や業界内でのポジション、市場の成長性などは実にさまざま。それらをポートフォリオとして最適に管理し、横串機能で製造や営業面での事業間連携も図りながら、ドメイン全体の収益を着実に伸ばしていくことが求められている。

――昨春のドメイン正式発足後、機械・設備部門では事業再編が相次いでいます。

これだけ多くの事業をやっていると、構造的に厳しいものも当然ある。従来のままでは将来展望が描けない、あるいは持続的な発展が期待できそうにない事業、分野をどうするか。ドメイン発足後、まずはこうしたものについて、事業再生や収益改善に向けた抜本的な手を打ってきた。

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