小学生には「算数ドリル」がどうしても必要な訳 機械的な作業に思えても重要な意味がある
郷さん:小学校低学年なら余裕だろうとなめていたんですけど、むしろ難しくないですか? 娘から「なんでこうなるの?」みたいな質問をされると、「素晴らしい着眼点!」と感心する自分と、「そこ突っ込むかぁ……」と面倒くさがる自分がいる(笑)。算数って、それ以上、話をかんたんにできないことが多くないですか?
西成先生:わかります。自転車に乗れるから自転車の乗り方をわかりやすく伝えられるかといえばそうではないのと同じで、算数を教えるのはかんたんではありません。
算数と数学の違いから見えてくるもの
郷さん:最初はやっぱり「なんのために算数を学ぶのか」ですね。娘もよくわかっていない気がするんです。「学校で教わるもの」「毎日宿題としてでるもの」。それ以上でも以下でもない、みたいな。
西成先生:なるほど。じゃあ、目的からいきましょうか。まず算数と数学の違いから説明しますけど、わざわざ科目の名前を分けていますよね。
郷さん:あ、それ気になっていたんです。アメリカだと小学校も中学校も「math」です。
西成先生:ですよね。「算数」の文部科学省による英訳って「arithmetic」なんですけど、「数学」のもっとも基本的な分野です。個人的には「算術」という和訳がしっくりくる気がしますね。
郷さん:計算する術(すべ)?
西成先生:はい。「数」や「形」の扱いに慣れ、その性質を学び、かんたんな計算をできるようにするのが算術です。どれくらいのレベルを求めるかというと、日常生活で困らないレベル。具体的には主にこんなことを学びます。
✓ものをかぞえられるようになる
✓四則演算ができるようになる
✓小数、分数を扱えるようになる
✓割合の考え方や計算ができるようになる
✓さまざまな図形の性質を知り、長さや角度、面積、体積などを計算できるようになる
✓さまざまな単位の変換ができるようになる
✓時計が読めるようになる
✓グラフや表が読めるようになる
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