小学生には「算数ドリル」がどうしても必要な訳 機械的な作業に思えても重要な意味がある

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郷さん:あら。めずらしく文科省を褒めていますね(笑)。

大人こそ、算数で「数学アレルギーの根本治療」を

西成先生:ただ、子どもの脳の発育速度や理解度はバラバラだから、理解が追いつかなくなる子どもが出てくるのは当然ですよね。

このあたりは最近、普及が進んでいるAI 型教材などで解消されてほしいと願っています。あと声を大にしていいたいのが、算数は小学生レベルにしてはとにかく難しい。特につまずきやすいのが「割り算」「分数とその計算」、そしてなんといっても「割合や比」です。

郷さん:グッ。割合はいまだに超苦手です。

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西成先生:これらは中学生以上のレベルです。それを小学生のうちにマスターしないといけないのはキツイ。でも、中学生になったら他にも学ぶことが増えるので、算数を学び直すことなく、次へ、次へと進む。気がついたら文系に一直線という人も多いんじゃないかなと思うんです。

郷さん:それ、わかる気がします。

西成先生:だから今回、大人こそ読んで学び直しをしていただきたいですね。さしずめ「数学アレルギーの根本治療」。数学への道を取り戻してほしい。

郷さん:数学が苦手だった原因は、算数にあったんですね。

西成先生:割り算、分数、割合こそが算数のラスボスです。

郷さん:ぜひ、倒しましょう!!

西成 活裕 東京大学先端科学技術研究センター教授

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にしなり かつひろ / Katsuhiro Nishinari

専門は数理物理学、渋滞学。1967年、東京都生まれ。東京大学工学部卒業、同大大学院工学研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了。その後、ドイツのケルン大学理論物理学研究所などを経て現在に至る。予備校講師のアルバイトをしていた経験から「わかりやすく教えること」を得意とし、中高生から主婦まで幅広い層に数学や物理を教えており、小学生に微積分の概念を理解してもらったこともある。著書『渋滞学』(新潮社)で、講談社科学出版賞などを受賞。ほかに『とんでもなく役に立つ数学』『とんでもなくおもしろい仕事に役立つ数学』(KADOKAWA)、『東大人気教授が教える 思考体力を鍛える』(あさ出版)など、著書多数。

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