激安EC「Temu」、ベトナムでサービス一時停止に ベトナム当局が命令、自国企業保護との見方も

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TemuとSHEINの事業一時停止は、表向きは行政手続き上の問題だ。ベトナム商工省は2024年11月9日、両サイトに対してECプラットフォーム事業者としての登録手続きを同月末までに完了させるよう要求した。

ベトナムEC市場でシェア首位の「Shopee」はシンガポール系だが、Temuのような海外直販のビジネスモデルは取っておらず、規制もされていない(写真はShopeeのベトナム向けトップページ)

さらに11月25日、ベトナムのファム・ミン・チン首相がEC事業者の監督を一層強化するよう関係省庁に指示する政令に署名。その中には、越境ECサービスを監督する政策の制定、電子認証サービスの導入促進、(関税や付加価値税などの)税金の取り損ねの防止、ECサービスに関わるサイバーセキュリティ強化などが盛り込まれている。

東南アジア各国に危機感

Temuは2023年8月から東南アジア市場への進出を開始し、まずフィリピンとマレーシアでサービスを立ち上げた。ところが、2024年7月に3カ国目のタイに進出すると、激安商品を中国から直販するTemuのビジネスモデルが自国の中小零細企業の商売に深刻な打撃を与えると危惧する声が、東南アジアの各国で高まり始めた。

それを意識したのか、Temuは2024年10月にベトナムに進出した際には、派手な宣伝やマーケティングを控えていた。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

「ベトナム政府が越境EC事業者に法令順守を求めること自体は間違っていない。その裏に自国企業保護の意図があったとしても、Temuの一時的な事業停止は理不尽とまでは言えない」

現地事情に詳しいある関係者は、財新記者の取材に対してそう語り、今回の措置はベトナム政府が対策を練るための時間稼ぎになるとの見方を示した。

(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は12月16日

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