アリババ、傘下の百貨店を「損切り」売却の事情 約2000億円の損失計上、非中核事業の分離急ぐ

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アリババはオンラインとオフラインを融合させる「ニューリテール」を推進したが、明確な成果を出せなかった。写真は売却を決めた銀泰百貨の店舗(銀泰百貨のウェブサイトより)

中国のEC(電子商取引)最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)は12月17日、大手百貨店「銀泰百貨」を運営する子会社の銀泰商業集団を74億元(約1562億円)で売却すると発表した。

アリババの開示資料によれば、同社は銀泰商業集団の発行済み株式の約99%を保有しており、残り約1%を持つ少数株主とともに全株式を譲渡する。それにともない、アリババは約93億元(約1963億円)もの損失を計上する見通しだ。

ECとクラウドに集中

銀泰商業集団を買収するのは、老舗アパレル企業の雅戈爾集団(ヤンガー)と銀泰商業集団の現経営陣だ。財新記者の取材によれば、買収後の出資比率はヤンガーが60%、経営陣が40%になる予定だという。

「現経営陣との共同投資の目的は、わが社のファッション・ビジネスのサプライチェーンを補完し、強化することにある」

ヤンガーは財新記者の取材に対してそうコメントし、生産から小売りまでの垂直統合を通じたビジネスの高付加価値化に意欲を示した。

一方、アリババが銀泰商業集団の売却を決めたのは、同社が進める非中核事業の切り離しの一環だ。アリババは2023年3月、主要事業の6分割を柱とする大規模な構造改革に着手し、「EC」と「AI(人工知能)・クラウド」の2分野に経営資源を集中する方針を打ち出した。

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