「シニア世代の再婚」が引き起こす"意外な大問題" 「本人の自由だけど…」意外な「大問題」とは?

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筆者の意見としては、「当人同士が結婚したいというなら、当人たちの意思を貫くのが筋」だとは思います。

一緒にいることで人生や生活の質が上がり、楽しい日々が送れるのであれば、そのほうがいいに決まっているからです。

ただ、Tさんの息子が、文句を言いたくなる気持ちもわかります

本来なら子どもに100%渡るはずの遺産が、半分も見知らぬ他人に渡ってしまう可能性があるわけですから。

父親と長年連れ添い、自分たちを育ててくれた実の母親をないがしろにされたような思いもあるでしょう。

むしろ財産などなければ、大きな問題にはならないのかもしれませんが……。

「事実婚」という選択肢も

このような場合、具体的な方策としては、

・事実婚として籍は入れない(相続権は発生しない)
・子どもに相続させる旨の遺言書を作成する(ただし配偶者が遺留分を請求すれば、4分の1を渡さなければならない)
・生前贈与する(ただし額が大きくなるほど税率が高くなるのであまりおすすめできない)
・経営者の場合、生前に自己株として後継者(子)に譲渡する(生前贈与より税率が低い)

などがあります。

今回のTさんはそれなりの資産家ということで、家族の反対を最小限に抑えるなら、「新しいパートナーにある程度の財産を残す旨の遺言書を残したうえでの事実婚」といった選択が現実的かもしれません。

子どもが自立しているシニア世代とはいえ、婚姻関係を結ぶとなれば、自分たちだけの問題ではなくなります。

今後の暮らし方、相続、お墓、介護などについて、家族と相談してから事を運んだほうがよいでしょう。

松尾 拓也 行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家

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まつお・たくや / Takuya Matsuo

行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家。

行政書士松尾拓也事務所代表、有限会社三愛代表取締役。

1973年北海道生まれ。父親が創業した石材店で墓石の営業に従事する傍ら、相続や終活などの相談を受けることが増えたため、すでに取得していた行政書士資格を活かし、相続・遺言相談をメイン業務として行うようになる。

信条は、相談者からの困り事に「トータルで寄り添う」こと。家族信託や身元保証など「新しい終活対策」についても積極的に取り組み、ライフプランや資産管理などの相談に応えるためにファイナンシャル・プランナー、住み替えニーズなどの相談に応えるために宅地建物取引士の資格を取得。ほかにも家族信託専門士、相続診断士、終活カウンセラー、お墓ディレクター1 級など、終活にまつわるさまざまな資格を取得する。

一人ひとりの「ライフエンディングシーン」(人生の終末期)で、最も頼りになるパートナーとなるべく、全方位視点で積極的な事業展開を行っている。

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