「営業はもうイヤ」と嘆く女性にモノ申す! 「企画やマーケティングがいい」と叫ぶ人たち

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よく、「こうやれば売れる!」「このステップで売ればトップセールスになれる」みたいな書籍を見かけますが、そのTIPSはとても重要で学ぶべきことがあると思います。でも、いちばん重要なのはこの「自分の役割は何か」と自問するマインドなのではないか、と私は思っています。

営業担当が顧客の本当の声を聞き出したり、企画部門と真剣に議論を重ねたりするためには、確かにコミュニケーションの力を磨かなくてはならないけれど、それはやはりあくまで手段でしかないのです。「浅薄」なイメージは、この手段にスポットが当たりすぎるゆえの産物な気がします。

もっと言うと、女性営業はこの力に長けている人が多く、若いうちは特にその力を使って業績をあげていることも多いので、「この仕事では力がつかない」といった気持ちに陥りがちなのではないでしょうか。

営業の仕事をマーケティングしてみよう

あなたの会社が、きちんと営業の役割をとらえ、現場に伝えてくれる会社だとしたら、営業にいるからこそ、企画やマーケティングの仕事を最前線で体験することができる、 ということもあるのではないでしょうか。あなたが自分の視野を広げ、視点を高く持つことで、営業の面白さや重要度はどこにあるかということが、感じられるのではとも思います。

このことを理解して、営業や営業管理職の仕事をしていくことは、企業戦略の要となることです。企画やマーケティングの仕事を後にやることになっても、より素早くスキルを吸収することができるようにも思います。もし、営業は「売り子」扱いという会社ならば、営業をやり抜くことに意味はないでしょうが、まだあなたはその確認もできていないし、自分の仕事の価値の認識もできていない。

本当によく、「営業はだいたいやり尽くしました」「はっきり言って飽きたんです」とか言われるのです。「企画の仕事をしたい」ともよく相談されます。そう言われるたびに、「ああ、売り子の仕事しかしてこなかったのね」と思ってしまいます。自分の今の仕事で何をどこまで実現できるのか、可能性を考えない人に、ミーハーなあこがれでの異動は許されない、と私は思うんですよね。

あなたのせいだけでなく、営業が語られるとき、「お客様のことを懸命に考えて……」とか「第一印象をこのように演出して……」などといった情緒的なエピソードが前面に出すぎているのも一因である気がします。そんな浅薄な仕事じゃないぞ、営業は。「営業なんて嫌です、企画がいいんです」と言い募るほうが浅薄に感じられているかもしれないなーとも思います。よーく考えて、それこそ、「営業の仕事」をマーケティングしてみてはどうでしょう?

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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