「毎年12兆の損失⋯」デジタル"2025年の崖"本当か 「このまま放置したら⋯」専門家が徹底検証

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ちなみに、「2025年の崖」のレポートを作成した委員の半分は、大手システム会社の上級役員の方々で構成されています。大手システム会社の営業やマーケターたちが、活用することはしかたがないところでしょう。

「2025年の崖の12兆円」が出てきたら要注意

レガシーシステム、なかでも基幹系システムの再構築のすべてが悪手というつもりはまったくありません。ただ、慎重な吟味が必要な投資額になることが多いことも事実です。

DXや基幹系システムの再構築などの(社内外を問わず)提案が出されたとき、「2025年の崖の12兆円」を根拠として登場してきたならば、「なにか変だぞ?」と警戒しておくことがベターでしょう。

彼ら彼女らが12兆円の算定ロジックを知っていながら、それを口にするのならば、プロフェッショナルとしての「誠実さ」に問題がありそうです。

また逆に、知らずに口にしているのならば、プロフェッショナルとしての大事な「なにか」が、欠落していそうです。

「デジタルはよくわからないから」と「投資の意思決定」を人任せにしてしまうことは避けなければなりません。「デジタル一般人」ならではの違和感をストレートに投げかけてみることに躊躇すべきではないでしょう。

逆に、そんなところから建設的な議論が始まる可能性もあるはずです。

2025年もDXという言葉が使われ続けるのならば、X(トランスフォーメーション)を強く意識したものになっていくことを期待したいものです。

大野 隆司 経営コンサルタント、ジャパン・マネジメント・コンサルタンシー・グループ合同会社代表

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おおの りゅうじ / Ryuji Ono

1986年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。アンダーセン・コンサルティングを皮切りに戦略系、デジタル・IT系、フィナンシャル・アドバイザリー系と複数の外資系コンサルティング会社にて数多くの案件を遂行。ローランド・ベルガー、KPMG FASなどでパートナーを務め2019年独立。現在はDX、イノベーション創発などのテーマにおいて、約70名の独立コンサルタントとともにチームを組成して企業支援を行う。湯河原在住。週末は自宅でドックカフェを開く。愛犬飼育管理士、わな猟狩猟免状を保有。

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