軽井沢「タクシー不足」を解消した"3本の矢"作戦 ライドシェアに「GO」…官民連携プロジェクト

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毎年5月、軽井沢プリンススキー場で開催される「マツダロードスター軽井沢ミーティング」も軽井沢で行われるイベントのひとつ(筆者撮影)
毎年5月、軽井沢プリンススキー場で開催される「マツダロードスター軽井沢ミーティング」も軽井沢で行われるイベントのひとつ(筆者撮影)

また、北陸新幹線、しなの鉄道と並行する国道18号線沿いに、町役場、警察署、大手スーパー等の商業施設があり、さらに中軽井沢とその南部には、美術館などの施設が多い塩沢がある。

つまり軽井沢町は、別荘地としての歴史、観光客やインバウンド需要、町民の暮らしが重なっているのだ。交通渋滞やタクシー不足が起きやすい土壌が、あるといえる。

そんな中で、地域交通の利便性を向上していくのは、どうすればいいのか。

持続性のあるプロジェクトになるか

先の「軽井沢タクシー供給強化プロジェクト」で、タクシーの供給状況がデータとして可視化されたことで、西武などの路線バス、町が事業者に委託する町内循環バス、しなの鉄道、そして実証中のオンデマンド交通といった既存交通との関係性も検証しやすくなったといえるだろう。

国がこれまで掲げてきた「公共交通のリ・デザイン(再構築)」は、地方創生を改めて強化する意向を示している石破政権のもと、その重要性を増すことは間違いない。

だが、筆者がこれまで全国各地を取材している限り、公共交通のリ・デザインに対して「理想的なイメージ像」を描き過ぎて実動がともなわなかったり、新しい試みが「実証のための実証」で終わってしまったりと、持続性を欠く事例が少なくない。

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そうした中で、軽井沢町はタクシーアプリを初導入するという、ゼロベースでのタクシー事業体系の変革を機に、町に関わるさまざまな団体が本気で連携することで実現した、成功事例だと感じる。

今後、公共交通のリ・デザインのさらなる横展開が進む中で、「データと人の声がうまくマッチングした現実解」が、軽井沢町から導き出されることを期待したい。

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桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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