結果として、日本版ライドシェアと応援隊がもっとも多く稼働したのは8月24日で、タクシー需要全体の約4割に達するという結果になった。こうした「軽井沢タクシー供給強化プロジェクト」の進捗については、町のホームページで紹介している。
プロジェクト実施期間でのタクシー需要に対するマッチング率は、概ね80%以上の水準を確保。「3本の矢」効果は十分にあったと、軽井沢町では評価している。
そのうえで、「地元タクシー事業者の事業を最優先として、得られたデータによって過剰供給にならないように配慮することが大事」(軽井沢町住民課)という姿勢を示した。
軽井沢タクシー協会会長で、松葉タクシー代表取締役の松葉和彦氏は、プロジェクトが稼働して以降「お客様から苦情はひとつもなかった」と振り返る。
「夏休み期間は、われわれタクシー事業者だけではなく、例年は運輸支局、商工会、ホテル旅館組合、観光協会など、まさに連携協定を結んだそれぞれに『タクシーがいない』という苦情がくるが、今年はどこからも苦情がない」とプロジェクトの成果を実感しているという。
渋滞対策など課題も見えた
各方面から好評価を得た「3本の矢」プロジェクトであるが、軽井沢町では今後の課題について大きく3点を挙げている。
1つ目は、需要速度の精度を上げること。夏期データがなく、ゴールデンウィークのデータから予測したが、需要は想定以上だったという。
2つ目は、必要台数の目標未達。ライドシェアドライバーの稼働遅れやシフトのズレなどが要因で、必要とされるライドシェア台数が確保できない日があった。
3つ目は、渋滞による営業効率の低下。特にお盆では、主要道路である国道18号線などの慢性的な渋滞によって、営業効率が低下した。16時台の平均実車時間は、7月3連休の「7分」に対し、お盆は「23分」と3倍以上になったという。
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