軽井沢「タクシー不足」を解消した"3本の矢"作戦 ライドシェアに「GO」…官民連携プロジェクト

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人気スポットである旧軽井沢に向かう道(筆者撮影)
人気スポットである旧軽井沢に向かう道(筆者撮影)

一方、地域全体の交通を含めた将来のまちづくりを考えるため、地域公共交通計画のアンケート調査を本年度から来年度にかけて実施している。

また2023年2月には、土屋三千夫氏が町長に就任。民間企業での海外事業経験等を活かし、軽井沢町の次世代化を推し進めているところだ。

こうした中で、「タクシー不足」という課題については、軽井沢町として昨年の夏過ぎから地元タクシー事業者、ホテル旅館関係者、民間事業者などと解決策を模索していた。

軽井沢町は、都心からの交通のアクセスが良いことから、観光シーズン以外でも金曜夜から土日にかけて首都圏からの観光客が集中する。そのため、タクシー不足は年間を通じた社会課題なっていた。

GO/ライドシェア/タクシー応援隊

そうした課題に対する解決策の候補は、さまざまあったという。

たとえば、ライドシェア(自家用車活用事業)。2023年後半には、内閣府「規制改革推進会議」のワーキンググループで、議論が白熱していた。これは、のちに自家用車活用事業として形になる。

ほかに、公共ライドシェア(自家用有償旅客運送)や、GOが北海道のニセコで繁忙期に実施した、外部からのタクシー応援隊の試みがあり、協議の結果、前述のように「タクシーアプリ『GO』導入」「日本版ライドシェア」、そして近隣地域を含めた佐久交通圏における「タクシー応援隊」の3つの合せ技での実施が決まった。

GOアプリについては3月28日、町内タクシー合計107台に導入し、4月8日に軽井沢駅北口にGO専用の乗り場を設置した。

2024年4月に実施した、日本版ライドシェア出発式の様子(写真:軽井沢町)

2024年4月に実施した、日本版ライドシェア出発式の様子(写真:軽井沢町)

日本版ライドシェアでは、4月26日に地元タクシー事業者の松葉タクシー、ますや交通、軽井沢観光、第一交通で合計25台を設定している。

そしてタクシー応援隊については、年間最大の繁忙期にあわせて、7月12日から9月27日まで実施。週末やお盆の需要ピーク期に、3社に応援要請をかけ、11台を増車している。

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