すれ違う「80代の親」と「50代の子」お互いの言い分 いつの間にか形勢が逆転しているのは当たり前

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

実際に大手企業の中には、休職や介護休暇、時間短縮などのシステムを作り、介護に直面した社員が辞めずに済むように配慮しているところもあります。国も育児・介護休業法を定めるなど、介護離職ゼロを目指す政策を行っているのです。

50代といえば、会社では管理職世代です。若者を育て、ご自身も次のステージを目指して努力する世代です。そんなキャリアを大切にしてもらってください。

日本は、会社を辞めてからブランクがあると、なかなか同等のキャリアで他社に就職することが難しい社会です。息子さんは50代とのことですので、60代、70代で再就職といったことになるかもしれませんが、どんどん条件が悪くなります。

子育ては「子どもが小学校に上がったら」といったように、未来予測が立てやすいのですが、介護は「何年で終わる」か予想がつきません。

雇っている会社にとっては、働き盛りで有能な人材を失うことになり大きな痛手です。会社は人材を育てるために、研修やその会社に適した仕事の仕方ができるように、社内でトレーニングするといった教育費、研修費に大きな投資をしています。

ましてや人手不足の時代ですから、育てた人材を大切にする制度を設けているはずです。多くの場合、子育てと同じ部署が介護に関する相談に乗ってくれるはずです。何ができるか、まずは息子さんに言って調べてもらってください。

〈ながら〉介護のための10原則

私は〈ながら〉介護のための10原則という旗を掲げました。

①人生は長い。他にいろんなことをしながら家族を看よう。
②仕事を続ける。その覚悟をアピールする。
③決して隠さない。
④介護は情報戦と知る。
⑤ひとりで抱え込まない。
⑥事前準備を怠らない。
⑦地域の人間関係を大切に。
⑧「食べる」ための技術と手続きを手に入れる。
⑨「ケアされ上手」も年甲斐のうち。
⑩制度を上手に利用する。
次ページ50代の男性の約3.5人に1人は独身という時代
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事