シリア、独裁政権崩壊でも直面する「特大リスク」 アメリカ、ロシア、イランとの関係はどうなる?
何年もの間、アメリカの中東戦略地図は、イランが「シーア派三日月地帯」の権力の中心にあり、シリアはイスラエルを攻撃するテロ集団が使用するイランの武器の輸送路であり、この地域に存在するロシアの海・空軍の拠点として支配されていた。
しかし、半世紀以上にわたって支配されてきたシリア政府が週末に驚くべきスピードで崩壊し、三日月地帯のもう1つの重要な要素が崩れ去ったとき、アメリカの情報当局は意表を突かれた。12月6日夜の時点では、アメリカ政府高官はアサド大統領が持ちこたえる可能性はほぼ互角だと考えていた。
ワシントンが直面する2つの「質問」
アメリカ政府は8日の朝、新たな現実に目を覚ました。ハマスが2023年10月7日にイスラエルを攻撃し、暴力的な報復の波がこの地域の勢力図を一変させて以来14カ月の間に起きた、おそらく最も重大な激変である。
ドナルド・トランプ次期大統領の2期目就任式を6週間後に控えた今、アサド大統領の失脚に伴い、ワシントンでは2つの緊急かつ関連した質問が飛び交っている。
まず、反体制派は、一部の指導者が脅したように、イランとロシアをシリア領内から追い出すのだろうか? あるいは、現実主義的観点から長い内戦で自分たちを殺す手助けをした2つの大国との何らかの融和を模索するのだろうか?