シリア、独裁政権崩壊でも直面する「特大リスク」 アメリカ、ロシア、イランとの関係はどうなる?

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そして、ハマスとヒズボラ、そしてアサドを失ったことで弱体化したイランは、トランプを殺すために殺し屋を送り込んだわずか数カ月後に、トランプと新たな交渉を始めることが最善の道だと結論づけるのだろうか。それとも、イラン人によっては脆弱な新時代における最後の防衛線と見なす核爆弾の開発を急ぐのだろうか。

答えが明らかになるまでには、数カ月かかるかもしれない。しかし、8日は解放の日であり、再建の始まりなのか、それともさらなる軍事行動への序曲なのかは、次の展開次第で決まるかもしれない。

反政府組織のトップは「テロリスト」認定

シリアの首都ダマスカスが陥落する前、アサド政権への電撃攻撃を主導したアルカイダ系の反政府武装組織ハヤト・タハリール・アル・シャームのリーダーは、CNNのインタビューに「革命は混沌から秩序へと移行した」と語った。

しかし、リーダーであるアブ・モハメド・アル・ゴラニは、テロリストとしていまだアメリカから指名手配されており、同グループがどのように統治を行おうとしているのかについては何も示さなかった。

「最も重要なことは制度を構築することだ」と同氏は語り、避難民となったシリア人が戻って再建したいと思うような社会を望んでいることを示唆した。「1人の支配者が恣意的な決定を下すような社会ではない」。

元駐イスラエルのアメリカ大使で、現在は国防総省の中東担当高官を務めるダン・シャピロ氏は、「アサド政権のために涙を流す人はいない」と語る。国連難民高等弁務官事務所が3年前に推定したところによれば、2011年に始まった内戦の最初の10年間で少なくとも58万人が死亡し、数百万人が負傷したり避難生活を余儀なくされている。

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