シリア、独裁政権崩壊でも直面する「特大リスク」 アメリカ、ロシア、イランとの関係はどうなる?
トランプ大統領が認めるかどうかは別として、アメリカは、ロシア軍艦を修理・支援する唯一の地中海の港であるタルタスの海軍施設からロシアが追放されるかどうかに大きな関心を持っている。
ワシントンにある戦略国際問題研究センターのシリア専門家、ナターシャ・ホール氏は、「ロシアにとってシリアは、伝統的にアメリカの勢力圏であったこの地域で、大国になるための発射台の王冠の宝石だ」と語る。
ロシアがシリアへのアクセスを失う意味
ロシアはまた、シリアの空軍基地を利用して、アサド政権に反対する数千人のシリア人を殺害した。ロシアがその影響力を拡大しようとしている新たな冷戦の時代において、ロシア政府がシリアへのアクセスを永久に失う可能性は、アメリカにとって大きな戦略的利点となりうる。
また、ウクライナの運命をめぐる交渉が始まろうとしている今、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領をどう扱うか、興味深い初期段階の試金石となるだろう。
しかし、より大きな問題は、次期大統領がイランとどう向き合うかである。イランとの2015年の核合意を打ち切ってから6年が経つが、ここ数週間、トランプ氏はイランとの新たな交渉に関心を示している。イラン側も交渉に関心を示しているが、過去数年間に多大な投資をしてきた核開発プログラムを放棄する意思があるかどうかは定かではない。
リスクは、イランの指導者たちが、国が弱体化していると判断し(その代理組織は機能不全に陥り、シリア経由で武器を輸送する経路は危険にさらされ、最近のイスラエル軍の攻撃で防空網は一掃されたと判断し)、これまで以上に核兵器が必要だと判断する可能性があることだ。