スタバ「賛否両論の紙ストロー」廃止が意味する事 環境への配慮と消費体験をうまく共存させる試みだ
先ほども述べた通り、スタバは2020年よりプラスチックストローを紙ストローに変える施策を行っており、企業全体として「エコフレンドリー」なブランディングを進めている。
これをお読みの読者の中にも「スタバはエコに気を遣っている、意識高い」とイメージする人も多いだろう。
こんなスタバのことだから、プレスリリースでも「環境負荷の低減」が押し出されている。今回、スタバが取り入れたのは、カネカの「生分解性バイオポリマー Green Planet」。
プラスチック製品ではあるものの、海洋の中で長い時間をかけて分解がされるもので、「永遠のゴミ」になってしまうプラスチック製品の欠点が改善されている。
「飲みづらさ」が問題となってきた紙ストロー
一方、プレスリリースで見逃してはならないのは「飲み心地の良さ」という言葉だ。
というのも、スタバに限らず、かねて紙ストローは「飲みにくい」「使いづらい」という意見が多くあった。
丈夫だとはいえ、紙は紙だからドリンクの水分をストローが吸って、ふにゃふにゃになったり、場合によっては折れてしまう。そうでなくとも、口に触れたときの感触が良くない。
まあ、プラスチック製のストローに我々が慣れてしまっているだけかもしれないが、とはいえ、紙ストローに独特な触感があるのは事実だろう。
今回のニュースが報じられると、反動かのように「紙ストロー」への不満が爆発している様子がSNSで観測された。それぐらい、紙ストローの使いにくさは水面下で不満の種になっていて、スタバが重視する「体験価値」を損ねていたことは間違いない。
今回のプレスリリースで「飲み心地の良さ」が強調されていることを見ると、この問題は同社にとっても解決すべき問題だったことがうかがえる。
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