「彼女のことはめちゃ優秀で面白い人だと思いました。ぜひ採用したかったのですが、彼女を面接する前に『いつでも入社できるしプロジェクトにすぐに取りかかれます』という経験者との話が進んでいたのです。採用枠は1人だったのでお断りせざるを得ませんでした」
独身になった浩二さんへ猛アタック
面接スケジュールで由里さんを振り回したのに採用できなくて申し訳ないと感じた浩二さん。お詫びをしつつ、「敏腕の転職エージェント」を紹介したりするなどのアフターフォローをした。由里さんは浩二さんの誠実な対応に驚きつつ、面接のときに知った浩二さんの「オタク気質」に興味を持った。
「カレーをスパイスから作ると聞いて、プライベートで仲良くなりたいなと思いました。結婚しているんだろうなと思って聞いてみたら、北海道にいる奥さんと娘さんたちとは6年も別居中。可能性を感じました(笑)」
由里さんの登場が背中を押したわけではないが、採用面接から3カ月後に浩二さんと祥子さんの離婚が成立。晴れて独身になった浩二さんに由里さんは猛アタックをしたと振り返る。
「自分から積極的に食事に誘いました。わかりやすく『デートしてください』と言いました」
デートという言葉でようやく由里さんの好意に気づいたという浩二さん。由里さんは見た目だけではなく生き方が美しいと絶賛する。
「裕福で温かな家庭で育った彼女は飾り気がなくて、感覚が研ぎ澄まされています。素敵な額縁を持っているのに絵は入れていなかったり。飾る必要がない人なのです」
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