親の「おむつ交換」に戸惑った"アラフィフ"体験談 突然始まった介護で悪戦苦闘し心身消耗
月野 わが家の場合、介護保険の要介護認定の申請はしていたんですが、結果が出る前に痛みがひどくなってしまって、間に合わなかったんです。
太田 緊急を要する場合には、認定結果が出る前でもサービスを暫定的に使えるケースもありますよ。地域包括支援センターで相談してみてもよかったかもしれませんね。
月野 認定調査のときには、母はまだ歩くことができていたんです。それで調査員さんに「要支援1か2、もしかしたら『非該当』かも」と言われたので、介護保険のサービスを利用するのは無理だろうと思い込んでいました。
太田 そうだったのですね。高齢の方は短期間に状況が変わるので対応が難しいですね。
おむつをつけたがらない親も
月野 おむつの話に戻るんですが、私の友人の親御さんは、トイレの失敗が増えてきているのに、おむつをつけることをかたくなに拒否しているそうです。とても困っていました。
太田 おむつに抵抗を示す方は非常に多いです。でも最近の大人用紙パンツは性能がよくなっているので、イメージしているおむつとは少し違うかもしれません。一度試してほしいですね。
月野 そうなんですね。でも……自分が使うとなると、やっぱりハードルは高い気がします。
太田 ドラッグストアで購入するのに、勇気がいるかもしれませんね。店員さんに対して、「恥ずかしい」と思ってしまう親御さんもいるでしょう。
そこで、最初は、「試供品もらったんだけど、試しに使ってみて」とか、「私もくしゃみすると漏れることがあるから使ってみたら、けっこうよくてびっくりした」と言って、置いてくるのも一案です。
月野 そうですよね、自分のおむつを自分で買うのは勇気がいると思います。そもそも家まで運ぶのも無理。だからといってネットで買う技術もないですし。家族が買うしかない!
太田 紙パンツを使うことで自立した生活が送れる人も少なくないと思います。支援や介護が必要でなくても、トイレが心配で外出できないという人もいるので、ぜひ使いこなしてほしいですね。
今後、もし重度の要介護状態になると、「紙おむつ等支給事業」といって、紙おむつの費用助成や現物給付などの自治体のサービスを使える可能性もあるので覚えておいてください。