朝ドラ「おむすび」をそれでも私が見続ける理由 大阪制作としてのコメディとリアリティを

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さらにタイミングの悪影響も大きいだろう。何といっても前作が、朝ドラ史上、もっとも強度の高い脚本(妙な表現だがそう感じた)を誇る『虎に翼』だ。

そして今、昼には、こちらも評判が高かった『カムカムエヴリバディ』(2021年)、そしてNHK BSでは「朝ドラを超えた朝ドラ」『カーネーション』(2011年)の再放送。さらにこの秋は、NHKでは『3000万』『宙わたる教室』などの意欲作が並んだ。

また民放ではこの1年、TBS『不適切にもほどがある!』、フジテレビ『新宿野戦病院』と、宮藤官九郎が大活躍、ギャグ系ドラマのハードルは完全に上がりきった状態。そんな中『おむすび』はかなり追いやられているように見えてしまう。

それでも諦めきれない理由

それでも諦めきれないのは『カーネーション』や『ちりとてちん』(2007年)、『スカーレット』(2019年)に見入った「NHK大阪制作朝ドラ」ファン(私)としての性かもしれない。また「国語算数理科社会オール3」=まだ決定的な赤点を取っていないという印象もあるからだ。

諦めきれない理由として、まずは、何といっても橋本環奈の演技力である。10月21日放送、「私はお姉ちゃんみたいな生き方が嫌なの!」と、姉役の仲里依紗に対してまくし立てたシーンは、緩かったドラマの空気が、グッと止まるのを感じた。

とにかく安心して見ていられる。背景にあるのは、橋本環奈が持つ芸能運動神経の高さだろう。

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