11月29日は、日本の財政にとって忙しい1日だった。
時系列的にいうと、まず2023年度決算が内閣から国会に提出された。
財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会から予算編成に関する意見書「令和7年度予算の編成等に関する建議」が加藤勝信財務大臣に手交された。
開会した臨時国会の冒頭で石破茂首相が所信表明演説をし、一般会計総額が13兆9433億円となる2024年度補正予算政府案を閣議決定した。
2023年度決算から2024年度予算、そして今後編成される2025年度予算までが、この一日に凝縮されていた。
その中でも最も話題となったのは、2024年度補正予算政府案だろう。
「規模ありき」の補正予算の内実
この補正予算は、10月の衆議院総選挙公示日に石破茂首相が第一声となる街頭演説で、2024年度の補正予算を、一般会計総額が13兆1992億円だった2023年度補正予算を上回る規模にする考えを表明したことから始まった。
この時点では、補正予算の内容はほとんど詰まっていなかったから、一部の報道で、2024年度補正予算の政府案を「規模ありき」と評しているのも無理はない。結果的には、公言通り、昨年度を上回る予算規模となった。
では、補正予算案の中身はどうなのか。
野党も補正予算を求めていた能登地域の復旧・復興等に6677億円、今年度10.7%引き上げる保育士らの人件費などの処遇改善に1150億円、低所得者向け給付金に4908億円となっている。ただ、こうした施策は予算規模として単体では1兆円にも満たない。
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