若い世代も注意! 「谷型ヒートショック」とは? 「風呂キャンセル界隈」も見直したい入浴"新常識"

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実は、「冷えの対策としてしていること」を聞いたところ、「入浴時、いつもより長く湯船に浸かる」(37%)、「入浴時、いつもより熱い湯船に浸かる」(20%)と一定数の人が回答していたが、これは間違い。

長風呂はのぼせのリスクが高まり、熱い湯での入浴は湯上がりの発汗が多くなって、身体の温かさが長続きしないのだそうだ。

若い世代も注意したい「谷型ヒートショック」

寒くなると増加するのが「ヒートショック」だ。早坂先生によると、血管が老化している高齢者は、血管が破けて脳出血や血管が詰まって心筋梗塞を起こすリスクがある。ただし、若くても動脈硬化が進んでいる場合は要注意だ。

冷え・ヒートショックに関する都道府県意識調査
(出所:リンナイ 熱と暮らし通信 冷え・ヒートショックに関する都道府県意識調査)

実は、「ヒートショックには山型と谷型がある」ことをご存じだろうか?高齢者が危ないといわれるのは「山型ヒートショック」だ。

脱衣所や浴室などの寒い場所では血管が収縮して血圧が上昇し、42℃以上の熱い湯に浸かると熱さでさらに血管が収縮して血圧が上昇する。その後、身体が温度に慣れてくると血管が広がり急に血圧が下がり、この血圧の乱高下で起きるのが「山型」だ。

一方、湯船から立ち上がったときに、温熱効果による血管拡張や水圧による締め付けから血管が解放され、一気に血管が広がり血圧が下がることで起きるのが「谷型ヒートショック」だ。

脳に血液が回らなくなり、最悪の場合は意識を失って、転倒したりおぼれたりするリスクがある。血圧の急降下を防ぐには、ゆっくり立ち上がる必要がある。

調査結果では、若い人ほど身体に負担のかかる入浴をしていることがわかったという。ヒートショックを高齢者のリスクと思うのは間違いなのだ。

冷え対策として、正しい入浴をするのは効果的なようだが、間違った入浴方法では温かさが長続きしないだけでなく、健康リスクにもつながるというので、若い世代といえども注意が必要だ。

入浴は、心身ともに良い効果が期待できるので、“風呂キャンセル”をせずに、疲れたときほど正しく入浴することを心掛けたい。

山本 久美子 住宅ジャーナリスト

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やまもと くみこ / Kumiko Yamamoto

早稲田大学卒業。リクルートにて、「週刊住宅情報」「都心に住む」などの副編集長を歴任。現在は、住宅メディアへの執筆やセミナーなどの講演にて活躍中。「SUUMOジャーナル」「All About(最新住宅キーワードガイド)」などのサイトで連載記事を執筆。宅地建物取引士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーの資格を有す。

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