なぜ若手医師たちは「直美」のキャリアに走るのか 初期研修を終え、美容医療業界に進むケースが増加

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厚生労働省は、11月に行った「美容医療の適切な実施に関する検討会」の報告書案の中で、「直美」の存在について、「医師の偏在是正の観点からも、引き続き、厚生労働省において別途必要な検討をしていく必要がある」と記載した(編集部撮影)

今、美容医療や自由診療の医療機関で働く医師が増えている。その傾向は、若い医師たちに顕著だ。

ある試算によれば、年間約200人が美容医療に進んでいるという。毎年、医師になるのが全体で約9000人であることを考えると、決して少なくはない数字だ。卒業後2年間の初期研修を終えると直接、美容医療業界に進む若者が増えており、「直美(ちょくび)」と呼ばれている。

厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師統計」によれば、皮膚科医や美容外科医といった、美容関連の医師数は増え続けている。とくに美容外科医の増え方は大きく、2004年から2022年までで3.5倍超に増えた。

新専門医の制度も一因

若手が美容医療を選択する要因は、いくつもある。

まずは、給与格差だ。大学病院の研修医の年間給与は400万円から500万円の間。これに対し美容クリニックでは、1年目で2000万円を超える例もある。

2018年に始まった新専門医制度も一因だ。新制度では、専門医資格を取得するため、3〜4年間の研修プログラムに進むことが必要となる。このとき、研修先の希望が都市部に集中しないよう、都市部では専門科ごとに定員の上限が設定された。

本人の希望にかかわらず、地方や僻地で勤務するケースも生じており、これが若手が都市部の美容外科に就職する理由の1つになっている。

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