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働き方改革が追い打ちかける「医師不足」の舞台裏 実は日本国内の医師数は増え続けている

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医師は増えているのに事態は切迫している。

額に手をあてうつむく医師
(写真:On and On / PIXTA)

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日本各地で深刻化している医師不足。しかし、日本国内の医師数は増え続けている。いったい何が起きているのか。本特集では、医師不足をはじめとした診療現場を取り巻く現実、その一方で盛り上がりを見せる美容医療、さらに医学部の最新事情を取り上げる。

時間外労働に上限を定める「医師の働き方改革」は今年4月から始まった。上限規制はほかの職種では5年前から適用されていたが、医師や建設従事者などには5年の猶予期間があった。それが今年3月末に終了した。

時間外労働の上限は年960時間が基本だが、勤務する医療機関の特性や医師の習熟状況によって特例が設けられている。救命医療などを行い地域医療に不可欠な医療機関や、研修医の研修先、高度な技能を習得するための機関には、年1860時間までの時間外労働が認められる。

2割の勤務医が過労死ライン以上

厚生労働省が2022年に行った病院常勤医の勤務実態調査によると、21.2%が過労死ライン(年960時間)を超える時間外労働をこなしていた。そのうち年1920時間(月換算では1カ月160時間!)を超える医師が3.7%もいた。特例での上限である年1860時間を超える医師の割合が高かったのは、脳神経外科、外科、形成外科、産婦人科、救急科などだった。

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