韓国で家族企業を阻む相続重税負担 不労所得上げると批判の的

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世代間の価値観の差が開く時期が3代目

では、3代目で問題が発生するのはなぜか。IBK経済研究所のチョ・ボンヒョン研究委員は「家族企業が3代続くには、少なくとも50年かかる。そのときには初代や2代目とは事業環境が大きく変化し、後継者の問題がネックになる」と指摘する。韓国生産技術研究院のナ・ギョンファン院長も「企業規模や事業特性によって原因は異なるが、一般的に世代間の価値観の差が急激に開く時期が3代目」と分析する。

実際、韓国の中小製造業で3代目まで続いた企業はほとんどない。中小企業中央会の家業承継支援センターの会員160社のうち、3代目まで至った企業は4社だけだ。チョ研究委員は「韓国製造業の歴史が短いこともあるが、3代目で倒産したケースが少なくない」と語る。

家族企業の3代目継承が成功するには、どんな要因が必要なのか。

伝統技術のノウハウが家業継承を通じて継続されるだけでなく、その伝統技術が先端技術開発の基になるかが重要。成功のカギとしてチョ研究委員は「2代目までは成長に集中する一方、3代目は革新に焦点を合わせる傾向が見られる」と言う。

韓国企業にも同様のケースがある。58年創業のオソン石油工業。2代目までは伝統的な染色加工会社だったが、3代目に創業者の孫であるペク・チャンウク氏(50)が就任すると、研究開発に焦点を当て、09年に新素材を開発した。

68年創業の部品メーカー、イグ産業も同じだ。創業当時は銅線を切るだけの零細部品メーカーだった。それが3代目に引き継がれる経営体制が構築された今、同社は半導体の主要部品メーカーに成長している。

 

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