超展開ドラマ「ゼンケツ」はヒットの要素しかない SNSが沸きまくる"仕掛け"が散りばめられている

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「僕も神です」に続く小夢の「私も神なんですね」というセリフにまたしてもSNSは沸いた。

小夢こそ数カ月前、神隠し事件に巻き込まれ、神としての記憶を失っていたのである。しかもゼンケツの室長だった。

興玉は「太田神」や「興玉神」という猿田毘古神(サルタビコノカミ)と関係の深い神様で、小夢は、天宇受亮命(アメノウズメノミコト)が転生した人物だ。

ほかに猿田毘古神(迫田孝也)そのものや豊玉毘売命(トヨタマビメノミコト〈福本莉子〉)、宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ〈小日向文世〉)、大国主命(オオクニヌシノミコト〈吉田鋼太郎〉)、月読命(ツクヨミノミコト〈石田ひかり〉)など神様がいっぱい。

日本神話に詳しい人ならどんな神様なのかすぐわかるだろうが、詳しくないと誰が誰やらさっぱりわからないし、名前すら読めない。タイトルといい、とっつきにくい言葉が頻発するのがこのドラマの挑戦的なところ(遊び心)である。ちなみにゼンケツは神社の敷地内にある。

神々はそれぞれ特殊能力を持っていて、その力を駆使して事件に臨む。日本版『アベンジャーズ』みたいなものと考えればわかりやすいだろう。

興玉は善悪を判断する力、天宇受亮命は神を呼び寄せる力、猿田毘古神は道案内する力、豊玉毘売命は水を操り、月読命は時間を遡る力を持っている。

ゼンケツ
神々が集ったゼンケツのメンバーたち(画像:『全領域異常解決室』公式サイトより)

「ゼンケツ」にちりばめられた“ヒット作の要素”

非科学的な事件を科学的な視点で読み替えるのではなく、非科学的なことを堂々と肯定する物語であるというスタンスが判明したところから、ドラマはシュールな様相を見せる。

八百万の神が現代にいて、人間と共存しているという体(てい)になり、興玉と小夢が居酒屋でビールを飲みながら交わす会話は、コント「もしも神様が人間界で暮らしていたら」のような様相を呈していた。

興玉「たしか平安時代ですよね」

小夢「最近じゃん」

というやりとりには、神様にとっての1000年は短いという観念が宿り、「今回の人生も」という何気ない言葉によって転生前提で会話が進む。小夢は何度転生しても毎回、同じ相手(猿田毘古神)と結婚していて、一方の興玉は毎回、独身だとか。

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