インバウンド客に無理な「英語対応」はいらない 一言目は「やさしい日本語」で話しかける重要性
考えてみれば、このことは、私たちが外国旅行をする際も同じだと思うのです。
韓国へ行けば、覚えたての韓国語を話して会話したいという気持ちと一緒です。「アンニョンハセヨ」と話しかけて、相手が「アンニョンハセヨ」と返してくれたら本当にうれしいものです。
まずは日本語で話してみる。そこで相手がちょっと首を傾げたら英語に切り替える。
そうすることによって、外国人だからといって逃げずに、最初の一歩をスムーズに踏み出すことができるのです。
さらに、相手の方が日本語を話せたらお互いハッピーです。
課題のなかの「入店のお客様がどこの国の方かわからず声かけが難しい」といった問題もこれで解決します。
「最初のひと言を日本語で話しかける」ことで、コミュニケーションの最初の一歩を踏み出すことに成功するのです。
「やさしい日本語」と「笑顔」
山城屋のお客様は約9割が外国人です。
そのうち、約5割が韓国人、次いで香港、中国本土、台湾、タイ、シンガポール、欧米系となっています。そのため、日常的に韓国語と英語を多く耳にしますし、以前は私たちも英語で話しかけていました。
そこを切り替えて、まずは「やさしい日本語」で話しかけてみることにしました。
「やさしい日本語」とは、日本人同士の会話でよくありがちな「話を最後まで言わない(推測させる)」「熟語を使う」「外来語(和製英語)を使う」「オノマトペ(擬態語・擬音語)を使う」などを極力避けることです。