インバウンド客に無理な「英語対応」はいらない 一言目は「やさしい日本語」で話しかける重要性

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「は・さ・み」(はっきり、最後まで、短く)というセオリーも重要です。

私はこのことを、自分だけでなく女将や従業員にも理解して実践してもらうことにしました。

最初は戸惑うお客様もいましたが、こちらが笑顔で「こんにちは」と言えば、お客様も自然と笑顔で「こんにちは」と言ってくれます。

私は、何よりも、この「笑顔」が大事だと思っています。

私たちが普通に日本人のお客様と接するときと同じように日本語で話しかけることで、肩の力を抜いた接客が自然と笑顔を生みます。私たち自身が、慣れない英語で無理して話しかけても、その顔は少しこわばっているのではないでしょうか。

流暢な英語でなくても大丈夫

山奥の小さな旅館に外国人客が何度も来たくなる理由: 「また行きたい!」を生む新インバウンド戦略
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普段と同じように笑顔で話しかける。そして、その気持ちはお客様にも伝わって、お客様自身も笑顔になれます。

このことは、コロナ禍を経て客足が回復した当館のなかで、ひときわ一人の女性スタッフの接客にあらわれていました。

彼女は若くて接客業に携わってまだ間もないのですが、彼女が館内レストランへ接客に行くと、いたるところで笑いが沸き起こるのです。流暢な英語が話せるわけではないのに、さまざまな国籍の方から同じようなリアクションがあるのを何度も見かけました。

ある日、「接客で心がけていることは何?」と尋ねると、「まずは笑顔です!」と即答で返ってきました。

あとは、やさしい日本語と知っているだけの英語やジェスチャーで自然と笑いが生まれるのです。

二宮 謙児 山城屋代表
にのみや けんじ

1961年、大分県生まれ。(一社)インバウンド全国推進協議会会長。
経営する旅館山城屋は、外国人客の受入れを進めて、客室稼働率ほぼ100%を達成。2015年「九州未来アワード」で審査員特別奨励賞受賞。世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」の「日本の旅館部門2017」で満足度全国3位にランクイン。顧客目線でのデジタル対応をはじめ、近年はクラウドファンディングや自社ECサイトにも力を入れる。
2020年、中小企業庁「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定。2021年、中小企業庁「中小企業白書・小規模事業白書」にて事例紹介。2024年4月発表のトリップアドバイザー「日本の旅館部門」では、満足度全国2位(アジアで17位)にランクイン。

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