「やさしい英語を使う=イケてる」が世界の新常識 非ネイティブが難しい単語を使っても嫌われる

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非ネイティブエリートがあえて初級レベルの英単語を使うのは、神経質なほどの慎重さの表れでもあると思います。会話で生じるようなヒューマンエラーは、できるだけ排したい。グローバルな場にいるビジネスパーソンほど、実は大胆というより、用心深いのかもしれません。

日本語しかしゃべれなかった留学経験

英語学習を始める人は、日本に住んでいること、また日本人であることそれ自体が、不利であると考えるかもしれません。日本の環境に身を置いている以上、ネイティブクラスの英語を身につけるのは絶対に無理、語彙力で対抗するしか、渡り合う方法はない……などと、思い込んでしまうパターンもあるでしょう。

断言できます、誤解です。繰り返しになりますが、簡単な単語だけで充分、事足ります。

グローバルな環境に出ても、いまあなたが身につけているはずの中学・高校レベルの英単語の量で、ほぼ問題なく太刀打ちできます。たくさん単語を覚えようと、分厚い英単語帳を買ってくる人もいると思いますが、特に必要はありません(もちろん覚えておいて損はありません)。

大事なのは、多義語の理解と、その単語が持つイメージの把握です。多義語のなかには、複数の意味同士が、まったく接点を持っていないパターンも、多くあります。基本的には、日本語の多義語と同じように丸暗記するしかないかもしれませんが、単語に備わっているコアイメージを提示して、複数の意味を覚えやすくすることができます。

この学習方法は、世界の非ネイティブエリートが共通してやっていることから抽出して、編み出しました。海外ではなく、日本で習得したものです。私は、過去に英語学習で、大きな挫折を経験しています。かつては「日本にいるうちは本当の英語は学べない」「ネイティブと渡り合うには、日本の英語学習ではダメだ!」と、信じ込んでいるひとりでした。

大学3年生のとき、初めてカナダに留学しました。期間は9カ月です。実は中学、高校の頃は英語が得意な方ではありませんでした。けれど「英語をしゃべれたら格好いい」「将来、世界と仕事したい」とぼんやり思っていて、大学に入ってからテキストやオンラインで英語の独学を始めました。そして念願の、海外留学をしたわけです。

行ってみたのはいいものの、打ちのめされました。現地の生の英語が、まったく聞き取れない。聞き取れないから、現地の人と会話ができない。こちらの言いたいことも伝わらない。「いま目の前の人に言いたいことがあるのに言葉で伝えられる力がない……」というもどかしさは、その環境に身を置いてみないと、わからないものでした。

留学前は自分なりに一生懸命、日本で英語を勉強していたので、正直少しは通用するという自信がありました。それがこっぱ微塵に打ち砕かれ、こんなにしゃべれないものか……と、絶望的な気持ちになりました。

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