「やさしい英語を使う=イケてる」が世界の新常識 非ネイティブが難しい単語を使っても嫌われる
そういう配慮も、日本人の非ネイティブエリートのトップたる所以だろうと感じます。私たちの世代では、非ネイティブエリートと言えば、ビジネスパーソンより、まずアスリートが挙げられるでしょう。
筆頭はサッカー選手。本田圭佑さんや香川真司さん、長友佑都さんなど欧州圏で活躍した選手たちの、試合後の流ちょうな英語、あるいは所属チームの国の言語でのスピーチは、すごく格好良く映りました。
私は高校時代にサッカーをやっていたので、彼らの語学力には、大いに刺激を受けました。長谷部誠さんや川島永嗣さんは、語学に関する著書なども出されています。英語を真剣に学ぼう! という、昔の私のモチベーションの根底には、海外組のサッカー選手たちの影響が少なからずあります。
本田さんも香川さんもみんな、ビジネスパーソンと同じで、やはり難しい単語はインタビューで使っていません。世界中から集まった才能と、フィールドでぶつかり合うわけですから、普段から難しくて聞き取りづらい単語なんて、いちいち使っていられなかったのでしょうね。ハードな試合で磨かれた英語は、説得力がすごいです。
テニスの錦織圭さんも、すごくきれいで、伝わりやすい英語を話されていますね。海外の日本人アスリートのインタビューを聞いていると、平易な単語でも、伝わる度合いがまるで違います。わかりやすいからこそ、凡人とは場数が違うなぁ……と、感心してしまいます。
簡単な単語使いは非ネイティブエリートの用心深さ?
私の普段の仕事では、オフィスの上司や先輩の英語も、参考になっています。初めてのクライアントとの交渉の場では、上司と同席します。彼らは議事を滞りなく進めるために、できるだけ簡単な英単語で、話を進めていきます。それは先ほども述べたように、ビジネス上の最低限の配慮です。
能力の高い上司は、海外のクライアントに「正しく伝わる」ことを一番にしています。こちらの会社の利益を守るとか、有利になるための駆け引きみたいなことは、まずしません。
ミーティングをスムーズに進め、きちんと意思を共有し、お互いの信頼関係を深めていく議事回しに努めています。そういう姿を見ると、ビジネスパーソンとして尊敬できるし、学びにもなりますね。
いま私が担当している海外のクライアントは、タイ、中国、イスラエルなどの非ネイティブエリートの方が大半です。彼らとの交渉では、お互いの理解に齟齬がないよう、細心の注意を払う必要があります。
小さな齟齬が、後で大きな問題に発展してしまうこともあります。小さなトラブルの芽を摘むためにも、会話では誤解なく伝わるよう、やはり使う言葉は簡単でないといけません。それはミスコミュニケーションの防止策のひとつとも言えます。
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