コピーライターが言語化に最も時間をかける工程 名コピーはその場でパッと思いつくものでもない

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私は「コピーライターの仕事を続けていくうえで、キャリアカウンセリングの知識や技術が、きっと役に立つはずだ」と考えて、勉強をすることにしました。

どんな点で2つの仕事が似ているのかをお伝えする前に、そもそもコピーライターの仕事がどんなものか、なかなかイメージしにくいと思いますので、まずは、そのお話をさせてください。

心を打つ名コピーは、思いつきでは生まれない

あなたは、コピーライターって、どんな仕事だと思いますか?

こうやって頭のなかを言語化する。
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ときどき、飲み会などの場で、次のように言われることがあります。

「コピーライターなんだから、この場でパッとキャッチコピーを考えてよ」

もしかしたら、あなたも「コピーライターは、キャッチコピーやキャッチフレーズをパッと考えられる人」というイメージを持っているかもしれません。

残念ながら、それは完全に誤解です。私たちコピーライターは、大喜利で次々と笑わせる芸人さんや、即興でなにかをつくるアーティストのように、その場でパッと答えや成果物を出す職業ではないからです。

世の中には、たくさんの広告コピーがありますが、それらのほとんどはコピーライターがパッと一瞬の思いつきで書いたものではありません。

私たちコピーライターは、何時間も、何日もかけて、ようやくたった1行のコピーにたどりつきます。

「えっ。たった1行なのに、なんでそんなに時間がかかるの?」

不思議に思いますよね。なにごとにも効率を求められる世の中において、数日かけて、たった1行というのは、あまりに非効率的に思えるかもしれません。

もちろん、それぞれのコピーライターによって時間のかけ方に差はあるかもしれませんが、少なくとも私の場合は、コピーをつくる時間の「約9割」を、ある工程に使っています。

それが「聞く」工程なのです。

①クライアントや生活者の話を聞く

②自分自身の話を聞く

この2つの「聞く」工程に、コピーをつくる時間のほとんどを使っています。

荒木 俊哉 電通 コピーライター

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あらき・しゅんや / Shunya Araki

1980年、宮崎県生まれ。一橋大学卒業後、2005年に電通に入社。営業局を経てクリエイティブ局へ。コピーライターとして、さまざまな商品・企業・団体のブランディングにたずさわり、これまでに手がけたプロジェクト数は100以上、活動は5大陸20カ国以上にのぼる。世界三大広告賞のCannes LionsとThe One Show のダブル入賞をはじめ、ACC 賞、TCC 新人賞、NIKKEI ADVERTISINGアワード、YOMIURI DVERTISINGアワード、MAINICHI ADVERTISEMENT DESIGNアワードなど、国内外で20以上のアワードを獲得。広告以外にも、国際的ビッグイベントのコンセプトプランニングや、企業のミッション・ビジョン・バリュー策定のサポートなども行う。一橋大学で広告のゼミ講師を務める。また、国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ。著書にベストセラー『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』(SBクリエイティブ)がある。

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