ストレスによる「めまい」を改善する4つの習慣 「耳の治療」だけではなく、「心のケア」も必要

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めまいが起こるのは、女性のほうが男性より多いことがわかっています。厚生労働省の2022年「国民生活基礎調査」によると、めまいの症状を訴える人の割合は、どの世代でも女性のほうが多くなっています。

(出所:『1万人を治療してきた名医が教える 自力で治すめまいのリセット法』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

とくにめまいを訴える女性が急激に増える50~54歳では、女性は34.4%、男性が10.2%と、3倍以上の差があります。私の病院の統計でも、女性のめまいは男性の2.7倍と、厚生労働省の数値と同じくらいです。
また、この調査では、75歳を過ぎると、めまいを訴える女性が再び急激に増え、80歳を過ぎた女性の4割以上に、めまいが起きていることがわかります。

50歳を過ぎた女性にめまいが起こりやすくなる原因のひとつが、女性ホルモンの減少です。更年期にさしかかって閉経を迎えると、女性ホルモンの分泌は急激に減少します。すると、自律神経のバランスが崩れ、めまいが発症しやすくなるのです。

さらに悪いことに、50歳頃から、バランス感覚を司る小脳や内耳(耳石器)などの機能低下もはじまります。そのタイミングが更年期と合致してしまうことも、更年期以降の女性にめまい症状が多くなる原因と考えられます。

これまで多くの患者さんと接してきて、本当に女性はめまいになりやすい傾向があるのだなと日々実感しています。問診をすると、(家の)外では男性と同じ仕事量をこなし、家事も育児も家族の世話も引き受けているという人が多いのです。そして疲労困憊となり、ある日突然、めまいに襲われたというケースが少なくありません。

こうした社会的な背景も、女性にめまいが多いことの一因かもしれません。

「笑顔」「前向きな言葉」で幸せホルモンを増やそう

「しかめっ面じゃダメですよー」

「笑顔で、元気に」

「『めまいを治すぞ~』と、声を出しましょう!」

これらは、リハビリ教室でめまいリセット法を行ってもらう前に、必ず私が患者さんにかける言葉です。私ももちろん一緒にやっています。

中には、「うさん臭そう」と思う人もいるかもしれませんね。いいえ、これにはちゃんと科学的な根拠があるのです。前向きな言葉というのは、脳に暗示をかけることができるものですが、脳が暗示にかけられる秘密が「セロトニン」です。笑顔をつくったり、前向きな言葉を唱えると、脳から分泌されるこの物質、じつはものすごいパワーを秘めているのです。

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