神戸製鋼が行うラグビーを通じたCSRへの取り組み、CSR(企業の社会的責任)活動成功の秘訣
ラグビーのユース日本代表のU−20(20歳以下)でも指導する元木氏は「SCIXとU−20では教え方がまったく違う」と言う。
「(初心者も多い)SCIXではできるだけかみ砕いて教えている」「ラグビーは前にボールをパスできないスポーツで(後ろにいる)仲間を信頼することが特に求められる」(元木氏)。どのような組織にも必要とされる「仲間を信頼すること」をラグビーを通して経験し、人間形成に役立てようとしている。
■広いグラウンドで女の子も元気に練習
SCIXのコーチは基本的に純粋な地域貢献の立場での参加だ。たとえば武藤氏は現在、神戸製鋼所総務部に所属しており、SCIXの事務局やラグビー指導の傍ら総務の業務も兼務している。会社にはほとんどの平日は出社しており、土日はラグビー指導に充てる日が多いため、多忙を極める。
休みもなかなか取れない状態だが、「ラグビーを通じて子供の成長や喜ぶ姿を見るのがやりがい。例え休みがなくとも好きなことをやっているので何ともない」と充実感を感じながら仕事を楽しんでいる。
「汗をかきに来た」と話しながら指導に励んでいたアドバイザーの綾城高志氏(元神戸製鋼ラグビー部)は手弁当での参加。「こうした活動は一朝一夕にできるわけではない。昔から細々と行っているから今がある。社会に根付いた活動だから長続きし、将来につながっていく」と語る。