神戸製鋼が行うラグビーを通じたCSRへの取り組み、CSR(企業の社会的責任)活動成功の秘訣

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CSRは企業の力を活用して社会の課題を解決する活動という流れが鮮明になりつつある。実際、企業には優れた能力を持つ社員が数多くいる。彼らの能力を社会の課題解決に活かせば、大きな「企業の社会的責任」が達成できる可能性も高い。

ただ、短期間で成果を上げることは難しい。解決すべき社会の課題を挙げ、それをどのように解決していくかをNPOなどと一緒に考えていくには長い時間が必要になるだろう。

「私たちはラグビーでこそ社会に貢献できる」と元木氏。自分たちの得意分野で「若者などの人間形成に貢献する」というNPOの取り組みを神戸製鋼がサポートする、という形のラグビーによる社会貢献。設立から10年以上経ち、昨年は7人制の女子ラグビー部を開設するなど、活動はさらにしっかりと根付き、広がりを見せている。

「CSR活動がなかなかうまくいかない」と嘆く企業は少なくない。だが、ひょっとすると短期間で成果を出そうとしすぎていることが原因かもしれない。「根付いた活動こそ長続きする」と綾城氏が言うように、じっくりとCSRに取り組むことが、成功への近道となるのではないか。
(岸本 吉浩 =東洋経済オンライン)

■神戸製鋼所 CSR関連データ
設立1911年6月 上場1949年5月
従業員数:(連結)3万4772人、(単独)9933人 2011年3月時点
CSR担当部署:経営企画部
CSR評価:人材活用AA、環境AAA、企業統治AA、社会性A
■特色のあるCSR活動(『CSR企業総覧』2012年版掲載情報)
・鉄鋼スラグを使った新型漁礁の開発
・格子形砂防えん堤の建設
・南米(チリ)大地震で被災したワチパト製鉄所の高炉復旧技術支援(技術者派遣)
・ラグビーを通じた社会貢献活動

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