「観光客が土下座強要?」に見るFENDIの反省点 インバウンド対応を迫られる各企業が今すべきこと

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もし、丁寧な謝罪を何度もしているにもかかわらず、お客様の気持ちがおさまらず土下座を要求していた場合、これはカスタマーハラスメントであり、強要罪になる可能性が考えられます。

② 会社として「晒し行為」を阻止すべきだった

「晒し行為」とは、SNSのアカウントを用いて、個人を特定する情報を無断でインターネットに載せることを指します。

2017年、X(旧Twitter)上にプライベートで撮影された写真が無断で複製され、本人の許可なく投稿された事件がありました。

被害者は、自身の著作権、肖像権、プライバシー権が侵害されたと主張。裁判所は被害者の主張を認め、プライバシー権などの侵害であるとして、加害者に損害賠償を命じる判決が出ています。近年ではこのような晒し行為が増加傾向にあります。

今回は、従業員がひざまずく様子と名刺がSNSに投稿され、波紋を呼びました。

名刺をカメラでスキャンして保存する方もいるとは思いますが、写真に撮られるということは、広く拡散される可能性もあると考えなければいけません。

毅然とした態度をとるべきだった

また、公開された情報が悪用されるリスクもあります。

悪用された例では、被害者の名前と顔写真を使い、本人になりすましてインターネット上の掲示板に第三者を罵倒するような投稿を繰り返していたというものです。こちらも名誉権、プライバシー権、肖像権などの権利侵害として損害賠償請求が認められたというものです。

こうしたリスクを鑑みれば、写真撮影する行為に対し、警告(阻止)ができたはずです。

たとえば、「写真撮影は禁止としております。ご遠慮ください」とお伝えしてみる。そして何度も警告したにもかかわらず撮影行為をやめていただけなかった場合は、お引き取りいただくなど、対処が必要です。

また、気づいたときにはすでに投稿されていて、その内容に何らかの悪意が感じられるようなものであれば、お客様が罪に問われる可能性がでてきます。大切にしたいお客様を犯罪者として扱いたくないとの思いは、会社側としてもあるのではないでしょうか。

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