「がんで死んだウサギ」で知る主人の間違った愛情 「ニンジンが好物」「かよわい」の誤解が招く悲劇

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ウサギの歯は常生歯(じょうせいし)と呼ばれ、私たちの髪の毛のように生きている間ずっと伸び続けます。

例えば、切歯(前歯のこと) だと、何もしないと1年で10~12cmも伸びます。臼歯(奥歯のこと)も伸びます。通常、これらの歯は硬いものを咀嚼することですり減り、適切な長さを保っています。

どんどん伸びていく切歯(写真:cynoclub/PIXTA)

しかし、飼い主さんが、ニンジンや野菜、果物といった比較的柔らかいものばかり与えていると、ウサギの歯が必要以上に伸びてしまうのですね。これを「不正咬合(ふせいこうごう)」といって、重症になると伸びすぎた歯が頰や舌に刺さることもあります。

それだけで死ぬことはまれですが、不正咬合になったウサギはいかにも痛そうな様子をしています。頬や舌が傷ついている様子をみると、実際に大変な痛みがあるのでしょう。

ペットのウサギには偏食になる個体もいて、慣れていないと牧草を食べてくれませんから、飼い始めの初期から牧草を与えておくことが大事です。

「様子がおかしい」と動物病院に持ち込まれてくるウサギには、この不正咬合の子が多いです。

切歯はともかく、臼歯は飼い主さんではなかなかチェックできませんから、病状を進行させてしまいがちです。症状がなくても歯に異常がみられることも多いので、動物病院で定期的にチェックしてもらうのがいいでしょう。

「かわいそうだから」で起きる悲劇

もう1つ、誤解しているのが「ウサギはかよわい」という点です。

ウサギに対して「かよわい」というイメージを持っておられる飼い主さんなどは、「避妊手術はかわいそう」と思うようです。そして、ウサギのためを思って避妊手術をしなかった結果、悲劇が起こります。

避妊手術をしていないウサギは、子宮がんをはじめとする子宮の病気が非常に多く、またウサギの子宮がんは肺や肝臓に転移することがあるため、様子がおかしいことに気づいたときには手遅れ――ということがしばしば起こるのです。

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